研究開発の背景
- 現在、国内において最終処分場の新規建設難に対処するための既設処分場の再生事業や不法投棄、閉鎖後の最終処分場の早期活用、土壌の汚染等の生活に関連する環境汚染を早期に解決することが、大きな社会問題としてある。
- その問題を解決するために、汚染原因となっている有機物を早期に分解促進して安定化を図るシステムの開発が急務であり、その一手法として強制的に好気性環境と嫌気性環境を交互に造り、微生物の活性化を促進して汚染を浄化するシステムの研究開発に着手した。
技術開発の目的&効果
- 廃棄物最終処分場、土壌汚染による地下水汚染をはじめとする生活環境の汚染原因となる有機系汚染源を早期に分解して、生活環境の修復を図る強制的好気性工法 システムの開発及び微生物の環境評価指標への活用手法の研究を目的とした。
- 強制的好気性環境の創造(有害ガス、臭気の除去技術)
- 嫌気・好気環境下の微生物の活用(浸出水の負荷軽減手法)
- 有機物の早期安定化手法の確立(好気、嫌気繰返し作用による促進手法)
技術の概要
- 本技術は、有機物を含む廃棄物処理場、地盤等(以下「有機系汚染源」とする。)に強制的にかつ断続的に高圧で空気を挿入することにより有機物の分解促進を行い、対象物の早期安定化処理を行うものである。その処理工程は、大きく分けて空気の
- ①圧縮工程、②送気工程、③強制的挿入工程、④吸引排気工程、⑤浄化工程がある。
- 本技術の特徴は、空気を挿入することで有機系汚染源内に存在する微生物の活性化を図り、有機物の分解促進を行う点にあり、嫌気性環境と好気性環境を交互に設定することによる難分解性物の分解を早める点にある。
- (図-1処理システム概要図)
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技術関連発表論文
「強制的好気性工法による廃棄物の早期安定化実証試験」
- (2004年11月:第15回廃棄物学会研究発表会)
「最終処分場および不法投棄現場におけるガス・臭気の安全環境確保のための好気性手法」
- (2004年11月:日本地下水学会2004年秋季講演会)
「In-situ treatment of landfill material by means of stimulated aeration 」
- (2004年10月:第3回アジア・太平洋埋立国際会議北九州2004<APLAS Kitakyushu 2004>:共著)
「強制的好気性工法(BIOPUSTERⓇ工法)による有害ガスと臭気の早期安定化について」
- (第4回産学連携フェア公開セミナー/産学連携・国際連携による廃棄物・土壌リニューアル事業)
- *2006年 APLAS2006Shanghai
- 第17・18・19回廃棄物学会・エコテクノ2006(北九州市) にて発表 *特許出願中